風俗嬢との恋10 ~姫子の過去3~
ソープランドと言われて最初はどんなお店なのかよくわからなかったけど、説明を受けるうちにそこが男性とセックスをしてお金を稼ぐ場所だと知った。
「それじゃ今日は講習を受けるだけで良いから!また終わるころに迎えに来るね♪」
そう言ってお店に1人で置いて行かれた。
まさか自分がこんなお店に来るだなんて…。
怖い、恥ずかしさ、悲しい、怒り…様々な感情が私の胸の中に溢れる。
私はいつのまにかお店の受付のところで号泣し始めてしまった。
見かねた店長が私を個室へ案内し、話を聞いてくれた。
「働きたい子がいるって言われただけだからよく知らなかったけど、そんな事情があったんだね。もしもソープが嫌なら、店の系列のデリヘルで働かない?」
風俗の知識がまったくない私は「デリヘル」と「ソープ」の違いが最初はわからなかった。でも店長が根気強く説明してくれて、ソープは挿入セックスありのお店だからお金は稼げるけど体に負担が大きい、デリヘルは挿入はないけどその分接客やサービスの質が求められるということを教わった。
ソープならツケは数か月ほどで返せるかもしれない。
でも、私はデリヘルを選んだ。
まだ悠太にしか抱かれたことのないこの体を大事にしたかったから。
その日の夜、悠太にその旨を伝えた。
すると悠太は私を後ろから抱きしめた。
「俺も姫子をソープで働かせるなんて嫌だったんだ。デリヘルで働くって決断してくれてありがとう。これから一緒に頑張ってこう?俺もツケが返せるよう協力するから」
デリヘルで働くのはツケが払えなかった私が悪い。
ツケの返済が終われば、すぐにデリヘルなんて辞めればいい。
私はキャバクラを辞め、大学の講義が終わった後にデリヘルへ出勤する日々へと変わった。
私は運がいいことに、新人期間の時に常連になってくれるお客さんが何人もついてくれたおかげで人気嬢になれた。
このまま行けば、1年もしないでホストクラブへのツケも返せそうだった。
しかし、もちろんそんなにうまく行くわけがない。
悠太はまた事あるごとにホストクラブに呼びつけようとするし、食事代やプレゼントなどを頻繁にねだるようになってきたんだ。
「ツケも返し終わってないのに無理だよ」と何回かは断ったが、何度も断るのは悪いと無意識に思ってしまうのか、3回に1度は悠太にお金を渡してしまっていた。
そのため、私は1年経ってもホストクラブへのツケは返せないままだった。
それでも私はそこまで嫌な気分ではなかった。
ツケをしっかり返済するためにという名目で、悠太と私は半同棲生活になっていたから。
むしろツケがあることで、私と悠太がずっと一緒にいられる気がしていたんだと思う。
でもそんなある日。
いつものようにお店に出勤していたが、急に生理になってしまったためお店を早退した。
いつもより2時間くらい早めに家に帰ったら、玄関に見知らぬ女性の靴があった。
まさか…
私はすぐに寝室へと向かった。
そこにはまさに行為の最中である悠太と知らない女の姿があった。
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11話目【風俗嬢との恋11 ~姫子の過去3~】